ローマ・システィーナ礼拝堂

システィーナ礼拝堂はサン・ピエトロ大聖堂に隣接し、バチカン宮殿内に建てられた礼拝堂で、ミケランジェロが描いた創世記などの大天井画、最後の審判の壁画で有名です。
教皇を選出するコンクラーヴェの会場でもあるところです。
此処は撮影禁止でしたので、フリー百科事典・ウィキペディアの写真をお借りしました。
入り口を入り先ず振り返ると、表面にミケランジェロの描いたフレスコ画の『最後の審判』が目の前に飛び込んできます。
この礼拝堂はシクストゥス4世の発願により教皇礼拝堂として1475年に建設が始まり、1481年に建物が完成し、内部の奥行き40.25m、幅13.41m、高さ20.73mとなっています。

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天井に描かれたのミケランジェロのフレスコ画『天地創造』です。
シクストゥス4世の甥にあたるユリウス2世が1506年にミケランジェロに天井画の制作を命じましたが、この注文は彫刻家を自任するミケランジェロにとって必ずしも本意とするところではなく、1508年にフレスコ画の制作を開始しました。堂内に足場を組み、横になりながらの制作で、助手の手際が気にいらず結局一人で作業を続けて行き1512年に完成しました。
天井部中央の旧約聖書『創世記』の9場面、天地創造、楽園追放、大洪水などが、祭壇から後陣にかけて配列されています。

その中の一部・・・『アダムの創造』

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そして・・・祭壇画の『最後の審判』です。
これはおよそ20年後クレメンス7世が祭壇の背面に壁画を描くようミケランジェロに依頼し、クレメンス死後、パウルス3世の代に製作が始まっています。1535年から1541年にかけて「マタイの福音書」に示される最後の審判をテーマにしたフレスコ画が描かれ、大きく四つの階層に分かれており、上から、天使たちの群像、イエス・キリストを中心とした天国、地獄に引きずり落とされる人々、地獄が描かれています。地獄の有様を描くにあたって、ミケランジェロはダンテの叙事詩『神曲』地獄篇から霊感を得ました。ミケランジェロの作品は見るものを戦慄させる出来栄えであったが、一方では裸体が多数描かれていることを嫌悪するものもいて、パウルス3世の死後、裸体の陰部を隠す腰巻が書き足されていました。
壁画は旧約聖書から題材をとり、正面の「最後の審判」を背に左にキリスト伝、右にはモーゼ伝を主題として描かれています。

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そして長い年月を経て蝋燭の煤などによる天井画や壁画の劣化が指摘されていましたが、近年日本テレビの支援によって1981年から1994年までに修復作業が行われ、洗浄されて製作当時の鮮やかな色彩が蘇っています(腰巻も一部を除き元に戻されています)。

この嘗て美術書で眺めていた芸術作品を目の当たりに観た感動は、きっと一生忘れられないと思います。
by canape2 | 2006-03-22 08:29 | ┣ イタリア紀行

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