母の愛したレシピ本

古びた薄い1冊の本・・・此れは以前にもお話をした、若き日の母の使っていたレシピ本です。

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表紙もとれてしまっていますが、
パンの焼き方が1ページ目にあって、パン種を使って醗酵もさせていて、とても美味しそうです~

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戦前に出た本ですが、戦災で何もなくなってしまって、戦後に実家から持ち帰ってきたもので、
触るとポロポロ崩れてしまいそうなほど・・・時代を経てきた本です。
見ると果物や野菜の瓶詰めから、生姜とかレモン、柚子の砂糖漬け、卵のチーズの作り方、塩豚、ソーセージ、ソース類もウスターソースからケチャップ、キャラメルソース、、魚の甘露煮、干し野菜など、など・・・挙げたら切りが無く沢山のレシピが載っていて、ははぁ~~~フムフム、と今見ても感心するばかり。
塩豚はパンチェッタ♪ レモンの皮の砂糖漬けはレモンピール♪
因みに花椰菜←これ、私はルビがふって無かったら何と読むのか???ワカランカッタ、、カリフラワーです。(^_^;)
そのカリフラワーや無花果のピクルスも~

母の愛したレシピ本_b0053765_1147022.jpg最後のページを見ると・・・

昭和11年の『主婦之友・八月号』の附録と書かれています。此れは母が、当時結婚をして東京にいた姉の所から学校に通っていた17歳の時に出ていた本です。
聞いてみれば・・・
田舎育ちの若い母からは、目からうろこの新しい生活情報誌だったようで、この寄宿をしていた姉の他に、
さらに一回り上の、今年90歳で亡くなった姉の主人から借りた、『日本文学全集』にあった「高野聖」も又、世の中にこんなにも素晴らしい文章があったのかと夢中になって読んでいたようで・・・etc.


そのような若き日々を・・・“当時は、毎日が新しいことを知る喜びに満ち溢れていた♪”と話す母の眼はキラキラと輝いていました。 婦人雑誌といえば明治の終わりに、羽仁もと子さんが出された『婦人之友』がありますが、今のような情報化時代ではなかった時の数少ない生活情報誌として、この『主婦之友』も大正に入って出版されています。
未だ戦前に出版されていますので、写真もハイカラな部分が可也あります。

何もかも思い出を無くしてしまったような戦後に、薄~いこの1冊の本さへもが、母にとっては大切な思い出の品になったのだと思うと、これからの世の中を守っていくのは、当然の事ながら、今に生きる人間の使命でもあるように思うのです。


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そして・・・
今年も作った無花果のコンポート(ワイン煮)です。
丁度開いていた白が、これにドボドボはチョットだったので、
赤で作りました。





                
               因みに、私は学校のお勉強が大嫌いでした。。(-_-;)
by canape2 | 2006-11-01 16:26 | キッチン

心地良いそよ風~ 流れるBGM♪ 楽しいひと時~HN・かなっぺ


by かなっぺ